門田泰明の書斎は決して狭くはないが、ほとんど飽和状態になっている。
部屋の中央に大きな机がある。大人六人がゆったり会議ができるほどだ。
愛用の椅子は、破が長時間の執筆に耐えられるよう座板が堅く補強されて
いる。彼の背後には、あらゆる資料の櫛比する書架が全壁を占める。机の
上には、中央に原稿用紙の山、左右に筆記具、正面には使用類度の高い辞
典類を初め資料が並ぶ。右端に、五十力所の番号が短縮登録されている多
機能電話機。机の脇には、執筆家の中でも特に導入の早かった高性能高速
ファクシミリ、時には口−ラ・フラニガンの美声が流れるオーディオ機器
類。これらすべてが、所狭しと置かれている。広いパルコ二−の大型物置
と、押入れの中も、文献の山だ。
窓からは、株父連山と富士山が一胡王でき、晴れた夕方にはその山々が真
紅に染まって絵のように美しい。だが、この作家のためには、さらに広い
書斎と資料・図書室が不可欠である。