黒豹叛撃
	黒木が初めて敗れた！その武器こそ、超心理学を利用した心霊兵器だった。折りしも米ソ両首脳も心霊弾に襲撃された。核を上回るこの恐るべき兵器を叩き潰すため、黒木は回復後直ちにソビエトに飛ぶ。そこで彼を再び待ち受けていたのは、想像を絶する心霊戦士たちの凄烈な攻撃だった！。 全精力を傾注して執筆する「黒豹シリーズ」を全集にまとめることは、著者長年の夢であった。最終的に全百巻を目指して執筆を続ける作者は、貪欲に新しいテーマを追い続けている。
	”黒豹”の素顔 門田泰明は、新鮮で豊富な知識を、常に蓄えておこうと努力する作家である。 したがってその読書意欲には猛烈なものがある。マクロ的な思考とミクロ的な 分析を、作品の中で巧みに交差させるこの作家は、時と場所を選ばず、本を手 から放したことがない。国際的な政治、経済・歴史・文化に関する書物から、 最新の軍事動向、科学技術、犯罪研究、とその読書範囲は実に広い。門田泰明 のこの知識欲は「陳腐な作品を残したくない」という自己に対する厳しさから 来ている。したがってこの作家は、時として大幅な減収を覚悟で多数の既刊文 庫の増刷を、長期間一斉にストップさせ、新情報の挿入や訂正・加筆を、−気 にやってのけたりする。こう評すると、この作家は常に我武者羅なように思え るが、その素顔はいつも孤独で寂しげで、そして物静かだ。
門田泰明は孤独と寂しさと大自然が似合う作家だ。 多くを語ることを嫌うこの作家は、ひたすら読書に 打ち込んでいる、まるで孤独に耐えようとするかのように。